選択できるという幸せ
リーダーシップモチベーション・意識改革 2023.06.23
藤井聡太棋士が史上最年少20歳という若さで7冠を達成しました。ニュースを見ると彼は小学生の頃から、いつか「名人」になりたいという夢を持っていたようです。その夢が叶いました。彼の幼いころからの選択はまさに圧巻で、14歳2ケ月でプロ棋士となり、将棋に専念したいという理由で高校も中退。そして、彼の選んだ棋士という世界は、常にミスを許されない「選択」の連続の仕事です。一手のミスが流れを変え勝敗を左右する、そんな緊張感のなか藤井聡太棋士は30手先まで読んでいるといわれています。だからこそ、彼の偉業はいつも驚きの連続で私たちの想像を超えていきます。
忘れてはならないのは私たちの人生においても、そして日々の生活においても、藤井聡太棋士と同じように、さまざまな選択ができるということです。人生とは、すべてあなたの選択の結果といっても過言ではありません。私たちは彼のように毎日、選択にこだわっているのでしょうか。日本に住んでいる私たちはあまりにも「選択できる自由さ」を日々与えられているため、その選択を軽んじてしまう傾向があります。「選択できる」ということは、人間の幸せや健康に影響すると、コロンビア大学のシーナ・アイエンガー博士によって研究されています。
彼女の研究で、社長はなぜ長生きするのかというテーマがありました。リーダー的立場にいる人たちは、確かに長時間働き責任が大きいことにストレスを感じていましたが、自分自身の仕事について大きな「決定権」をもっているため、自分の裁量で能動的に創造性を発揮しながら仕事にとりくむことができ、よい仕事をしたときには大きな満足感が得られていることがわかったのです。その満足感の大きさや多さが、長生きに影響していると。
では、裁量権がなければ長生きできないのかという単純なものではなく、決定権の大きさではなく、自分の仕事に自由度があると感じる力があれば健康状態も良好になるという結果もだしています。また、どんなに階層が高くても日々、無力感を抱いている人はストレスフルで幸福度も低い結果となっています。
この彼女の研究から言えることは、まずは、どんな状況であっても自分には選択する自由があると考え方をマインドセットすること。
それが自分の半径1メートルの影響であっても人は自分で選択することができるのです。
リーダーとしては、早く部下に裁量権を渡し、トライ&エラーさせること。指示命令型の組織がいかにマイナスに影響するかよく理解できると思います。理由を示さずにあれこれ細かく指図するのは最悪です。
21世紀の人材育成のテーマは自律した人材を多く輩出することです。自律と選択は切り離せません。選択する力をつけること、また日々の選択に注視すること、そしてその選択をしっかり内省し、次の選択に活かすこと。リーダーが部下を信じ、チームを信じ、チームでたくさんの選択をし、それをやり遂げるという意思をもって、日々選び続けることが、組織を活き活きとさせます。たとえ与えられたものが圧倒的に不利なものであっても、自分の人生の選択で変化させられる変容できると信じる力をもち、まずは自分の力で変えられるものから手をつけることができれば、それは未来の大きな一歩へと繋がるはずです。
今日からのあなたの選択は?どのような選択をしていきますか。
株式会社シー・マインド 宮道京子