今こそテレワークを! 在宅勤務を成功させるポイントとは?
モチベーション・意識改革ワークライフバランス労務管理 2020.05.01新型コロナウィルスの影響により、多くの組織で在宅勤務が広がっています。これまで「制度としては設計してあるが利用者がいない」という風土を持っていたところでも、在宅勤務制度を活用せざるを得ない状況になっています。在宅勤務に対する不安や解決法について解説します。
「お互いに仕事が見えない」という不安との戦い
「目の前に部下がいないため、本当はサボっているじゃないかと不安になる」という管理職がいらっしゃれば、「上司は私のことをサボっていると思っているかもしれない」という部下もいらっしゃいます。
ここで、管理職の方にあらためて考えてみていただきのです。目の前に部下が座っていれば、それだけで「仕事をしている」と思っておられますか? 姿が見えればそれでよいのでしょうか?
「本当はサボっているかも」「サボっていると思われているかも」という不安の解消に必要なことは、1日の仕事の予定を可視化することです。
これまでも、共有化されたスケジューラーには、会議や打ち合わせの予定は入っていたはず。そこに「資料作成」や「お客様への電話」といった予定も入れていくという方法です。さらに「今日の優先順位」を朝の段階でチームメンバーに共有しておくと(チャットなどでもよいでしょう)相互にもっと安心した状態で仕事に集中することができます。
仲間が目の前に座っているときには、相手の忙しさを読み取り「ねえ、〇〇さんちょっといい?」と声をかけるタイミングを見計らうことができました。在宅勤務ではその仲間が、目には見えないどこかの場所で仕事をしている状態です。いま、この瞬間、何をしているのか。共有化されたスケジューラーに少しだけ詳細を入れるだけで、“声をかける”タイミングを見ることができ「本当に仕事してるの?」の不安も解消できるのです。
初めてのウェブ会議。難しく感じる理由は「顔が見えないから」ではない!
日本のビジネスパーソンは、1週間で約8時間を社内会議に使っているという調査があります。在宅勤務が広がると、それらの会議はすべて「ウェブ会議」となります。
※同様に社外の会議もウェブ会議にシフトしている、という企業・組織も増えています。
日頃からウェブ会議を活用していた人たちを除くと、新型コロナウウィルスの影響を受けて急きょスタートした今回の在宅勤務では「ウェブ会議はなかなかやりにくい」という感想も伺います。その結果、「やっぱり顔を見て話した方がいんじゃないか」という結論を出される方もいらっしゃいますが、ウェブ会議をやりにくいと感じる理由は決して「表情が読み取りづらいから」ではありません。
本当の理由は、日頃の会議の良くないところが顕在化しただけだと言えます。これまでの会議は「目の前にいる相手との会議であったため、何とかなっていただけ」なのです(あるいは相手は「何とかなっていないこと」に薄々気がついていたかもしれません)。
対面の会議にもウェブ会議にも役立つ、成功のための“お作法”
以下に、ウェブ会議における“お作法”を一覧表にまとめてご紹介します。これは対面での会議や打ち合わせでも留意すべき事項です。もっとよい会議のために、ずっと心得ておかれることをおすすめします。
①は対面の会議でも「当たり前」のことですが、意外と守られていないのではないでしょうか。②ミュートにするというのは「隣の人とコソコソ話をしない」「議論を逸脱させない」というお作法であり、④議論の可視化は、いわゆる“空中線”となり決定事項が次々に揮発していく(=誰も何が決まったのか覚えていない or 人によって決定事項の認識が異なる)状態を避けるために有効です。
在宅勤務を通じて日々の仕事の可視化・共有化を推進すること、ウェブ会議における“お作法”を心得て、通常の打ち合わせや会議の生産性の高いものにすること。今回の新型コロナウィルスへの対応を通じ、新しく、よりよい働き方を模索するきっかけにしていくことも、みなさまの職場でできる対処の1つであると考えます。
株式会社ワーク・ライフバランス 松久晃士
2020年3月31日