首都圏の主要信金・信組、コロナ禍の新人研修

新入行職員向け 2020.05.29

 新型コロナウイルス感染症の拡大で金融機関の「新入職員研修」の現場も変化している。4月に発動した政府の緊急事態宣言などを受けて、密閉、密集、密接の“3密”を避けるソーシャルディスタンス(社会的距離)を保つなど、研修現場もさまざまな工夫が求められている。首都圏の主要信用金庫・信用組合12機関にアンケートを実施。新人研修の現状と課題をみた。
 ■分かれる配属時期
 新型コロナの影響で配属を延期したのは8機関。理由としては「新入職員の安全を確保し、感染リスクを避ける」(埼玉県、横浜、朝日、さわやか、芝、東京、城北の各信金、第一勧業信組)が最も多い。また、新入職員を受け入れる営業店も、感染防止の交代勤務のため、最少人員での営業が続き「適切なOJTに限界がある」(横浜信金、第一勧業信組)と感じたり、「配属店職員への罹患(りかん)リスクを軽減」(朝日信金)して営業店崩壊を防ぐため、新人の配属を見送った先もあった。
 例年だと、10月に配属していた芝信金は「2021年3月末までを研修期間とし、新入職員の正式配属を21年4月」(研修部)に延期した。例年は4―9月の研修期間中に「集合研修」と「営業店OJT」を交互に実施していたが、新型コロナの影響で半年間の遅れとなった。
 一方、従来通り4月に配属した千葉信金は「職場への早期定着」を狙った。自宅学習日を適宜設定して感染リスクを軽減した。城南信金も4月に配属。本部・営業店の職員と同様に、分散勤務をしながら、在宅勤務時に自宅で研修を継続している。