今後の教育の在り方と若手のキャリアデザイン研修
キャリアデザインマネジメントモチベーション・意識改革 2020.06.092020年は東京オリンピックの開催が予定され、日本への経済効果は30兆円を超えるとも言われていました。しかし、年初からの新型コロナウィルス感染拡大の影響により日本経済は深い景気後退局面に入ったとも言われています。
このような、状況の中で、今後、金融機関はどのような役割を担っていくべきか、そしてどのようなビジョンを描いて、前へ進んでいくべきなのか、明確な戦略が必要になってくると思われます。
IMD(International Institute for Management Development)が分析・公表している世界競争力ランキングでの日本の順位は、平成の30年間で1位から30位へと転落しました。同ランキングは、「経済状況」「政府の効率性」「ビジネスの効率性」「インフラ」の4項目をメインに、背景データ除く全235からなる指標を分析したものです。転落の1つの理由として、企業が、長期ビジョンに対する投資を怠ってきたことか挙げられます。大企業の投資の90%は、3年以内に結果を出すことに集約され、長期での投資は非常に少なかったと分析されています。
「従業員教育」は、まさに長期での投資といえ、アフターコロナの世界で、どのような従業員教育をしていくかは、企業における大切な戦略になっていきます。
平成のままの考え方や価値観では、今後、生き残るのが難しいと言われているこれからの時代は、どのような人材を育てていきたいのか、どのようなチームにしていきたいのか、そしてどのような社会貢献を提供していく金融機関にしていきたいのかというビジョンを描き、その実現に向かって行動を蓄積することが大切です。
まさに、これからの2~3年は、トライ&エラーの量を増やし、その中で質を高めていくことが必要となります。「教育」は、既存の価値観をマインドセットすることから始まっていきます。私は、この時代の変化を前向きにとらえています。特に、若手従業員のモチベーションをコントロールしていくことは、未来につながると考えています。若手の従業員一人ひとりが、未来を描く力、課題を見つける力、チームで課題を解決する力を習得していくための教育は、これからますます重要になっていきます。
【若手のキャリアデザイン研修】
これからの価値観はどのように変わっていくか、またこれから金融機関はどのような役割を求められるかということを学んでいただき、心理学・脳科学・行動科学の観点から自己分析、レジリエンス力、モチベーションのコントロール、選択の重要性を学んでいただけると良いと思います。
研修は、参加型で、ワークを中心にディスカッションの時間を多くとることが重要です。一方的な研修よりも、ディスカッションで、言語化していただくことによって主体的に考えることができます。また、自分がどうなっていきたいかというキャリアデザインは、定期的にブラッシュアップする必要があり、自分のトライ&エラーをしっかり分析させることも重要です。色々な金融機関様でキャリアデザインの研修をさせていただきましたが、若手の教育で大切なのは、お伝えする内容にエビデンスがあるということです。キャリアをデザインする力は、今後、ますます必要になる力です。
株式会社シー・マインド 宮道京子