コロナ禍の新人フォロー研修

人材育成コミュニケーション職場活性化 2020.11.13

 今年度の1年生はコロナウィルスの影響で、研修期間の短縮、宿泊研修の中止、そしてオンライン研修を中心とした、研修プログラムへの移行と例年通りにはいかなかった金融機関がほとんどだと思われます。

 本来であれば、研修期間中や宿泊研修などで同期の絆を1年目に築くことが多いように思います。その絆ができるからこそ、お互いの悩みや現状の問題を話し合ったり、時にはストレス解消の飲み会などを開催し、メンタル面で救われることもあります。そして、将来、仕事での成長をサポートしあえる関係性に発展していく大切な「同期」にもなりうることもあるでしょう。その絆が今年の1年生にどうしてもできにくいのは、やはり圧倒的にお互いのコミュニケーションの量が少ないからだと思います。

 今回のコロナ禍の中で、オンライン研修のメリットとデメリットが少しずつ見えてきました。オンライン研修は知識を学ぶための研修には向いています。しかし人との「つながり」をつくるための研修、もしくは「気づき」や「アイディアを話し合う」いわゆる体験型研修は、今のオンラインの画面ではまだまだ課題があるのではないかと思います。

これから技術が進化してよりリアリティーのあるオンライン研修になっていくは間違いないですが、それでも人と人が触れ合う研修もやはり必要ではないかと今年の1年生の教育で感じました。ワークや休憩時間の様子を観察していると、やはり笑顔で楽しそうに語り合っていました。私は心理学で「幸福学」という分野も勉強をし続けていますが、人間の幸せの根源には、「人とのつながり」が大きく影響していると研究結果がでています。

1年生だけのことではないですが、たわいもない話しをしたり、お互い自身の話しをしたり、ゆるいつながりでもいいのでその時間があることによって、仕事に対するモチベーションや組織にいることの幸せにつながっていくのではないかと思います。

 ちょうどこの時期は、1年生が仕事に対して悩み始める時期でもあります。上司とうまくコミュニケーションをとることができない、自分の仕事がどうチームやお客様に役に立っているのか実感できない、試験がなかなか受からないなど、さまざまな不安が出るころです。そのような時に同期に相談をしたり、もしくはメンターとなっている先輩がうまく悩みを開示してあげたりすることができればよいのですが、今年はどの金融機関にとっても前例のない年となり、1年生のフォローをどのようにしたらよいか模索されているかと思います。  コロナウィルスの影響が冬に向けてまた大きくなりはじめていますが、もし可能であればオンラインでない集まりや研修、もしくはコミュニケーションをゆっくりとる時間を1年生のために設けることをお勧めします。そして、1人でも多くの1年生が来年度に向けて希望がもてるよう仕事に向き合えることを願っています。

 

【新入社員フォロー研修】

 主体的に考え、動ける力をつけるための研修です。仕事は、知識をつけ、理解し、行動を起こし、習得するまでやり続ける経験学習が必要です。知らないままにしない、わからないままにしない、できないままにしないことの大切さを学んでいただきます。 そして自ら考え、自分の言葉で相手に伝わるようにコミュニケーションをとる力をつけ、職場内でのコミュニケーションでどのようなことが大切かも学び、心理面では失敗から立ち直り学ぶ力、レジリエンス力をつける研修です。

 

株式会社シー・マインド 宮道京子