コロナ禍で考えるベストな新入社員研修

人材育成モチベーション向上 2021.03.17

 今年の桜は例年よりも早く開花する予想で、今月の終わりには、満開になるエリアが多いとのこと。入社式の4月1日は、桜がとても綺麗に見られるのではないかと思います。

 4月は、新入社員の研修が2週間から3週間行われる予定の金融機関さんがほとんどかと思われますが、引き続きコロナ禍の影響もあるため試行錯誤の研修になりそうです。

 1年生に早く仕事を覚えてもらうためには、どのような教育が良いかという質問をよく教育担当者の方々から受けます。特にコロナ禍での教育では悩まれることも多いはずです。知識や作業レベルの仕事であればマンツーマンを通じての教育や集合教育での対応が一般的で、その後マニュアルを見ながら復習するといった流れになります。

 最近では知識を学ぶオンライン研修を何度も見ていただくことも増えてきましたが、作業レベルの仕事の手順を動画で何度も見てもらう教育も今後さらに必要になってくるのではないかと思います。

 私はよく講義で仕事を1人でできるようにすることを、「料理」を作ることにたとえてお伝えします。例えば、カレーを作れるようになるには料理のレシピがあれば作れるようになります。これが仕事でいうマニュアルに該当します。

 料理作りでは、ネットで「クックパッド」のレシピを見ながら料理を作るということが話題になりスマホを片手に、料理をすることが可能になりました。またクックパッドは、料理の行程がわかりやすい短い言葉で書かれているため、初めて料理を作る人でも簡単に作れるということが人気に火をつけました。しかし、最近では「クラシル」というレシピ動画が人気で、料理の行程を1分ほどの動画で見ることができ、例えば、言葉をまだ理解できない子供であっても、動画を見ながら料理を作れてしまうということが話題となっています。レシピは4万を超え、内容もバラエティーにとび、有名シェフの作る料理もシェフ自身がレシピ動画で作り方を見せるのです。もちろん、動画の編集は、画像や、時間をかなり意識して構成されていて、料理を作らなければという主婦の方々の心理的な負担を「つくってみたい」と動機付けしているところが素晴らしいところです。

 これは、1年生の教育のヒントになるのではないかと思います。仕事を早く覚えて結果をだすには、1つ1つの仕事の再現度が確実で「できる」ことがなるべく早くたくさん増えることです。料理でいえば、カレーを何度も作れることができ、さらに他の料理も作れるようになること、そして時には有名シェフの料理にもチャレンジできるようになることではないでしょうか。仕事も、早くできるようになれば、「やらなければ」から「やりたい」という動機づけにつながっていきます。つまり、自信がつくことによって「やる気」のスイッチがはいりやすくなります。料理では、「おいしい」と言ってもらえることであり、仕事であればチームのお役に立てることや、お客様からの「ありがとう」の言葉が1年生のモチベーションを支えていきます。

これからの教育は、従来通りの属人的な教育だけでなく、オンラインをとおした仕組みづくりも生産性をあげる1つの手段になるのではないでしょうか。

 もちろん、メンタルのフォローはやはり人が介入して、上司や先輩からの細やかなフィードバックが必要ですし、メンターの存在などで1年生が救われることが多いです。 コロナ禍の中で、新入社員にとってどのような教育がベストなのかを考え続けることで、生産性を上げる新しい教育の形ができあがるのではないでしょうか。

 

【新入社員教育】

社会人としての基礎能力として、どのようなことが大切なのかそしてどのようなマインドセットが必要なのかをお伝えします。また、コミュニケーションの基礎能力として「伝える力」「聴く力」を学んでいただきます。そして、どのような仕事もまず、1歩前に踏み出してチャレンジすること、知識だけではなく考える力をつけ失敗から学びを得ることの大切さをお伝えします。

 

株式会社シー・マインド 宮道京子