リベラルアーツの必要性

モチベーション・意識改革 2021.08.17

 「2020東京オリンピック」がコロナ禍の中無事閉幕し、8月24日からはパラリンピックがスタートします。私にとっても自国開催でのオリンピックは初めての体験でした。

 毎日テレビでの観戦をしていましたが、メダルを獲得した選手のインタビューの返答が実にさわやかで、前向きで、「楽しかった」という言葉も多く聞かれました。オリンピックへの道のりはほとんどの時間が苦しい時間であり、自分との戦いでもあるトップアスリートのオリンピックにかける思いは一瞬の勝負で喜びにかわり、そして悔しさにもかわります。本物しか残れない、厳しいスポーツの世界では言い訳は通用しません。だからこそ、勝った時の笑顔も、負けた時の涙も人々を感動させるのではないでしょうか。彼らの人生をかけて戦っている姿を見てその素晴らしさを改めて感じることができました。

 私たちは、人生の一定の時間を「仕事」に費やしています。これからの時代は、オリンピック選手の皆さんのように、「プロ」しか生き残れない時代になっていくでしょう。どんな仕事であれ、「プロ」以外の仕事はAIが肩代わりしてくれます。「仕事」は当然楽しいことばかりではなく、乗り越えていかなければならない課題も目の前に常に現れます。それでも、やりおえた後に「楽しかった」といえる仕事をどれだけできるかが人生の質を向上させてくれるはずです。

 「プロ」としての仕事をするには、専門的な知識だけではなく「哲学」「歴史」「宗教」「美術」などの「教養(リベラルアーツ)」が必要です。何故ならば、これからは「今までのやり方」だけでは仕事は通用しなくなり、常に、自らが考えて行動する力が必要だからです。そのためには、自分だけでの経験値だけでは固定観念に縛られてしまい常識を超えていくことができません。

 これからの時代はさまざまな角度から分析し、そして自分自身の価値基準をもって選択していく必要があります。そのベースとして、人生の教科書である「教養」をもっと勉強し、体験し、時にはその道のプロの人たちと出会い、自分自身をバージョンアップさせていくことが新しい時代を楽しむ手段となります。

 最近のベストセラー「お金の大学」は、YouTubeでリベラルアーツ大学の配信をされている方の著書です。著者は自由に生きる知恵としてこの本を提案しています。内容は金融機関でお仕事をされている方にとってはすでに知識としてもっている内容ばかりですが、一般の方にとってはわかりやすく、「お金」を勉強するツールとしては手にとりやすかったのではないでしょうか。 まさに、リベラルアーツは本当の自由や人生を楽しむための武器や技術であって、今後のキャリア形成や、専門領域を横断するために必要になります。限りある人生の時間のなかで、興味をもって自分の仕事以外の分野の勉強をすることで、皆さんは「プロ」のお仕事ができるのではないでしょうか。そして、その力が集結すればよりよい社会をつくりだしていける時代へと繋がると信じています。

 

株式会社シー・マインド 宮道京子