未来をポジティブに描くためのセルフマネジメント

キャリアデザインメンタルヘルス 2021.10.19

  

 ようやく緊急事宣言が全国的に解除され、秋晴れの空を見ていると、少し心も穏やかになります。しかし、昨年からのコロナ禍で日常生活の「あたりまえ」を変化させたことで、私たちは知らないうちに目に見えないストレスを抱えるようになりました。何故なら、脳は変化を嫌うからです。行動を1つ変えるのでさえも脳は拒否反応をします。良い習慣がなかなか身につかないのも、この脳が変化を嫌う仕組みからきています。

 心療内科に通われる方々が、この1年半でかなり増えているのをご存じでしょうか。 また、コロナの影響だけでなくこれから時代が大きく変化することで、その変化を受け入れることさえも、人によっては大きなストレスとなります。ただ、ストレスを全くなくすことは不可能ですし、もともと人間はネガティブ思考の強い生き物です。危険を察知するためや生き残るためには、ネガティブ思考も大切な役割をもっています。

 だからこそ、自分自身をコントロールし常に自らを良いコンディションに保ち続けることはきわめて重要なのです。

そして、「心・技・体」の3つのバランスを良い状態で保つことが仕事においては高いパフォーマンスを実現できる近道となります。

 「セルフマネジメント力」とは、仕事においては心のマネジメントと技のマネジメントが大切です。心と体は一体ですので、まずは、自分はどのようなストレスに反応してしまうのか、自分を知ることからスタートしてもよいでしょう。そして、心の不調を防ぐための防衛策を普段から用意しておくこと、学ぶこともあなた自身の気持ちを楽にさせてくれます。

 心のマネジメントは体からアプローチすることもできます。1日何分か「腹式呼吸」をすること、睡眠を7時間から8時間しっかりとること、バランスの良い食事をとること、1日15分から20分程度の運動をすることなど。皆さんが普段知識として持っていることばかりですが、これを続けることが必要です。心のアプローチでは、ネガティブ思考を緩和させるために自己肯定感のセルフチェックすることもお勧めします。心のバランスが崩れる時には、知らない間に自分に自信をなくしている状態が続いています。私は、よく色々なご講義で自分の幸せの偏差値を少し下げることをご提案しています。偏差値を下げると日常で見える景色に感謝の気持ちを持てるようになるからです。感謝の気持ちは自分で自分を大切にできる1つのアプローチになります。

 技のマネジメントは、変化のスピードがきわめて速い現在、キャリアデザインの観点からも自分に必要な能力は何かを考え、継続的に開発し続けることが重要になります。

 自ら考え動くということは、これも脳にとって最初は拒否反応からスタートします。しかし行動を続けることでだんだんと脳も変化に慣れていき、達成感や成長を自分自身で感じられるようになると幸せを感じ、さらにチャレンジすることができるようになります。そして、未来をポジティブに描くことができるようになると、この技のマネジメント力はさらに向上します。

 「セルフマネジメント力」はこれからの時代さらに必要とされ、あなた自身のお仕事や人生にも役に立つはずです。この力をつけていくために、毎日、1つずつトライされてみてはいかがでしょうか。

  

株式会社シー・マインド 宮道京子