当たり前を超えるための「トライ&エラー」

モチベーション・意識改革 2022.09.13

  

コロナ感染がまた拡大しサル痘の影響も懸念される中、やはりもうコロナ以前の世の中に戻るのは難しいのかなと、ふと考えることが多くなった。好きだった海外旅行も、今となっては特別なイベントになりつつあり、好きなだけ旅をしておいて良かったと思っている。研修で全国を移動することが、今では私にとっては旅気分で、車窓から日本の風景をよく見るようになった。あたりまえの毎日は、いつあたりまえでなくなるのか。この状況を見ていると今日1日のこの瞬間さえも後悔しない選択をしたいと思う。

「チームラボ」というデジタルアートを制作している会社がある。プログラマー、エンジニア、建築家、数学者、ウエブデザイナーなど、さまざまなデジタル分野の専門家がチームとなり、現在では、世界中で常設展示され、東京お台場では、チームラボボーダレスがこの8月末まで開催されている。アートというと、その作品には作者の個人名がつくのが普通だが、チームラボの作品はすべて個人名ではなく「チームラボ」で出展されている。その価値観がこの会社の強みでもある。この会社は東京大学と東京工業大学の大学院生ら5名によって設立された。代表取締役の猪子寿之氏は、時々テレビでのインタビューを受けることもある。実は昔、元旦のNHKの若者の討論番組を毎年見ていて、その番組にまだ無名だった彼はよく出演をしていた。その頃から、彼ははっきりと「チーム」で仕事することが楽しいとよく言っていた。そして「そんなことをしても成功しないよ」と年上の人に言われるたびに「うるさいなぁ」って思うとも。

最近、彼が出演した番組で、昔と変わらず「チームの大切さ」「意味のある仕事をすることの大切さ」「垣根を越えていくことの大切さ」を伝えていた。チームラボの成しえたデジタルアートを見ていると「自由」を感じる。そして「可能性」を感じる。変容できる可能性を。今までの既成概念を飛び越えて「価値」を「創造」していく若い経営者がこれから日本でも多く輩出されるのではないかと「希望」を見出すことができる。

組織が変容することは、時に大きな決断を迫られ今まで大切にしていた「価値観」や「商品」を手放すことにも繋がるかもしれない。

それでも、10人に10人が「いいね」というサービスや商品をつくるよりも、10人に1人が圧倒的に「好きだ」と言われるサービスや商品をつくる創造が、この時代には必要ではないかと思う。

そんなサービスや商品をつくるには、やはり1人ではできないし、色々な才能をもったチームが必要となる。また今の自分の仕事を好きになる力がなければ、垣根を飛び越えていくことは難しい。

「その企画は成功するのか?」「うまくいくのか?」残念ながら、成功するか、うまくいくか、トライしてみなければ答えはでない。誰も答えはわからないのが本当のところだ。あたり前を超えていかなければ、成長していくことは難しい。そして、自分を納得させることも難しい。行っておいて良かった、やっておいて良かった。立ち止まるのではなく、トライ&エラー。後悔しない「選択」を組織も人も、この時代だからこそ挑戦してみてはどうだろう。10年後の未来から見てみたら、きっと、そんな自分を微笑ましく思い出せるのではないだろうか。

株式会社シー・マインド 宮道京子