それでも組織を変容させる

チーム作りモチベーション・意識改革 2022.10.21

 

インターネット時代に入ってから30年近く、私たちの世界はデジタルシフトした。そしてソーシャルシフトによって人のつながりのプラットホームが登場し、世界の人々は常に対話し連携し行動するようになった。そして資金調達の考え方も変化してこれからのビジネスにおける競争の源泉も、「財務資本」から「人的資本」へと変化する。持続可能な社会、三方よしのお客様との関係性、そして働く人々が前向きで主体的で幸せな働き方を選択する時代。1981年~1995年生まれ世代は、「Y世代」。いわゆるデジタルネイティブ世代。1996年2010年生まれ世代は、「Z世代」。この世代をソーシャルネイティブ世代という。高齢者が加速的に増えていく日本の中で、この世代が新しい時代を牽引していくことができなければ、本当の意味でのパラダイムシフトは起こらない。

そして、コロナにより加速した「ライフシフト」。多様な人が協働して自走できるチーム、組織でなければ、これからの時代を走ることも楽しむことも難しくなりつつある。

21世紀のマネジメントは、完全に「数字」から「人」へと転換を求められている。

100年後の世界からみれば、現在の変化は1つの点にすぎないと思う。私たちが、今一番課題としている価値デザインの変容を「あ~、そんなことを議論して時もあったよね」と。ただ、変容の真っ只中にいる私たちは、どうすれば新しい価値観で組織をマネジメントできるのか、試行錯誤の連続で前進しては後退し、思考停止してしまうと「原点回帰」という言葉で成長時代の日本に帰ろうとしてしまう。

決して戻れない、時代を懐かしんでも、時代の波はもう来てしまっている。「原点回帰」も21世紀バージョンにアップデートしなければ、お客様には伝わらない。

「知識社会」にシフトした以上、人の心を軽視した「数字至上主義」から「人間的でクリエイティブ」な組織に変容していくしかない。組織は、環境の変化に応じて常に学び続けていくことが大切になり、学び続けることで「考える」力を一人一人が強化していくことに導く必要がある。「考える力」があることで、ようやく健全な対話が組織内で交わされるようになり、「協働」というスローガンのもと「共感の場」をリーダーはマネジメントする必要がある。アサーティブリーダーというリーダー像は、今後、マネジメントに不可欠になるだろう。自律し自走できる組織になれば、常に裁量権を渡しながらトライ&エラーを繰り返し、その結果を分析しながら、あらたな仮説をたてスパイラルのように成長していける組織になる。

グーグルが発見した5つのチームの成功要因は①心理的安全性②相互信頼③構造と明確さ④仕事の意味⑤インパクトだ。①は関係性を変容させ、②と③は行動の質を変容させ、④と⑤は思考を変容させる要因となっている。 私はいつもこのようなデータを見ると感じるのだが、このような要因はもともと日本人が時代を超えて大切にしてきた「真理」ではないかと。もともと私たちのDNAに刻みこまれている「哲学」ではないかと。だからこそ、今、私たちは「それでも組織を変容させる」時なのだと。

 

株式会社シー・マインド 宮道京子