ブランディングの力

組織・体制コンサルティング 2024.03.25

 

ブランディングというと、皆さんはどのような定義をお考えになりますか?

ブランディングとは、一般的に 「魅力」×「接触頻度」×「一貫性」といわれています。まず、その商品やサービスに魅力があって、その魅力を何度も感じることで、お客様はさらに付加価値を感じ、贔屓客に変わっていくのです。この贔屓客は、購買額が増えていったり、時にはお客様を紹介してくださったり、とても効果性の高い営業につながっていくメリットを享受して下さいます。だからこそ、ブランディングとはマーケティングに内包されている最重要の手法といえるのです。

では、何故、日本の企業にはまだこのブランディングが浸透していないのでしょうか。

まずは、ブランディングに関するノウハウが確立されておらず、その情報量も少ないことが考えられます。また、日本の企業ではブランディングの専門部署を確立されておらず人材育成もされていないことが多いとも考えられます。

本来は、マーケティングの根幹であるブランディングこそが、売り上げと利益を生み出す源泉的な経営活動でもあり、最も有用な方法論の1つと言えるのでが、まだ金融機関においては「ブランディング」という考え方が浸透してないのが現実です。

今までは「ブランディング」にそれほど本気に取り組まなくても、金融機関さんの看板をあげていれば信用や信頼を得ることができ、そしてそれほど迷いなくお客様もあたり前のように選択してくださいました。ただ、現在では同業他社というよりも異業種他社が金融機関の市場にさまざまな手法で入り込み、いつのまにかお客様が流れていってしまっていることも多々見受けられます。そのような中で、お客様に選んでいただく金融機関になるめにはブランディングに力を入れ、さらにそのブランドを守るために相当の労力をかける必要があると思います。

金融機関さんの「あたり前」という認知バイアスを超えて、デザイン性を重視した新しい店舗づくり、新しいサービスメニュー、そして働く一人ひとりも、まさにブランディングしていく必要があります。

ビジュアルやコミュニケーションなどの局所的な話でブランディングを終わらせるのではなく、この次元からさらに深くブランディングを引き上げていかなければ、価値観を重視するお客様の増加にともなう対応は難しくなっていくのではないでしょうか。

なくてはならない金融機関さんの「ブランディング」はまさにこれからだと思っています。ブランディングは企業の競争力を高めていく経営戦略だと捉え、マーケティングの部署の人たちだけの問題ではなく、経営層の方々も目をそらさないことが大切です。

ブランドは、ただ提供する価値、品質、信頼性、そしてお客様と感情的につながることだけではなく、その組織のビジョンや使命、パーパスにも繋がるものです。 今、まさに日本のブランディングの水準を上げる時です。

 

株式会社シー・マインド 宮道京子