四国銀 指導員を指名性に 全店で人材育てる
人材育成 2025.06.27四国銀行は、先輩行員などを指名できる「四銀スタイル実践トレーニー」による人材育成に力を入れる。行員が師事を仰ぎたい先輩を指名してOJTを受けられる制度。営業現場でのOJTの重要性が増すなか、営業店全体で人材を育てる体制を整えた。2024年度は8回の実施で好評だったことから、一段と取り組みに力を注ぐ考え。
実践トレーニーは、応募形式で研修を望む行員が先輩を指名するほか、学びたいテーマに応じて本部がマッチング。数日間にわたるOJTで、先輩行員の外訪活動や事前準備といったノウハウを学ぶ。
人材育成策を拡充するなか、行員の成長をサポートする目的で23年度に制度を新設。従来は本部主体の業務トレーニーのみだったが、より行員の成長意欲に沿える形とした。
制度を利用する行員の多くは若手で、個人向け営業担当者が成績の良い先輩を指名するケースや、郡部店舗で経験できない法人業務を学ぶために店舗・エリアを指定する行員も。23年度は6人、24年度は7人が活用し、複数回利用した行員もいるなど好評だった。
◆先輩の姿に訪問意識変化
「補助金やキャンペーンのチラシ1枚を持って訪ねる先輩の姿を見て訪問のハードルが下がりました」――。入行2年目にあたる24年7月にトレーニーを受けた善通寺支店の正木美佳さんは、意識の変化についてこう語る。
当時は渉外担当としての活動を始めたばかりで、ニーズ喚起や訪問などに不安を感じていた時期。法個人の取引先にどういった目的で訪問し、何を話してどういう提案をしているのかを学ぶことで、外訪で感じていたハードルを下げたいとの思いがあった。
トレーニーでは、近隣店の預かり資産営業で活躍する先輩を指名。印象的だったのは純預金取引先企業への訪問で、これまでは明確な訪問目的が必要と考え尻込みすることもあったが、チラシ1枚を持参して訪問する姿を見て意識が変化。先輩の「時間がある限り行く」姿勢を学んだ。「より質の高い面談にするためにも、まずは量を意識した活動を心がけていきたい」と気持ちを新たに業務にまい進している。
